スピルバーグ監督の「リンカーン」を見てきた。
アカデミー賞の12部門にノミネートされた映画だ。
そして、リンカーンに扮したダニエル・デイ=ルイスが主演男優賞を受賞した。
この映画はリンカーンの伝記だと、かってに思いこんでいた私だったが、
実際は。。
南北戦争中に出した「奴隷解放宣言」を確固たる
ものにするために「合衆国憲法修正第13条」の
下院での可決を、どうやって達成させたか
という1点にしぼって描かれる映画なのだ。
私は、ちょっと退屈なシーンも多く、あくびが出そうに
なってしまったが。。(笑)
歴史好きな主人は興味ぶかく、最後まで退屈はしなかったらしい。。エライ!
『人民の、人民による、人民のための政治』で
有名な演説をしたリンカーンは、どんな家庭に
生まれ、幼少時台はどんな少年だったのかを
知りたかった私だが、その思いはかなわなかった。。
下院での可決を得るために、姑息とも言える手段を
使ったり、「目的を達するための妥協点」を見出し、
綱渡りをしながら粘り強くたどり着いたと云う事かもしれない。。
「奴隷制度はやめるべき」という
強い信念のために。。
映画資料より
リンカーンは南北戦争中に「奴隷解放宣言」を出すが、内戦終了後に奴隷制復活の可能性が
残される。そこで、南北戦争の収束がみえてきたところで、「合衆国憲法修正第13条」の
下院での可決をめざそうとする。
共和党が持っている議席では、憲法改正のためには、20票も足りない。
しかも、共和党の急進派からみれば、リンカーンは「ヌルい平等主義者」であり、
共和党の穏健派からすれば「いきすぎた理想主義者」と思われているので
共和党も1枚岩ではないのだ。
この映画のなかでのリンカーンは、「奴隷解放と自由のために命を捧げた英雄」ではなく、
アメリカの分裂、そして家族の分裂という危機に直面しながら、したたかに自分の最低限の
目的を達成するための「落としどころ」を探っていく人物として描かれています。
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