映画日記
2013年
 
  2013年 テレビで見た映画の感想日記
  2013年4月20日(土)   
スピルバーグ監督の「リンカーン」を見てきた。
アカデミー賞の12部門にノミネートされた映画だ。
そして、リンカーンに扮したダニエル・デイ=ルイスが主演男優賞を受賞した。
この映画はリンカーンの伝記だと、かってに思いこんでいた私だったが、 実際は。。
南北戦争中に出した「奴隷解放宣言」を確固たる
ものにするために「合衆国憲法修正第13条」の
下院での可決を、どうやって達成させたか
という1点にしぼって描かれる映画なのだ。
私は、ちょっと退屈なシーンも多く、あくびが出そうに なってしまったが。。(笑)
歴史好きな主人は興味ぶかく、最後まで退屈はしなかったらしい。。エライ!
『人民の、人民による、人民のための政治』で 有名な演説をしたリンカーンは、どんな家庭に 生まれ、幼少時台はどんな少年だったのかを 知りたかった私だが、その思いはかなわなかった。。
下院での可決を得るために、姑息とも言える手段を 使ったり、「目的を達するための妥協点」を見出し、 綱渡りをしながら粘り強くたどり着いたと云う事かもしれない。。 「奴隷制度はやめるべき」という
強い信念のために。。
 映画資料より
 リンカーンは南北戦争中に「奴隷解放宣言」を出すが、内戦終了後に奴隷制復活の可能性が
 残される。そこで、南北戦争の収束がみえてきたところで、「合衆国憲法修正第13条」の
 下院での可決をめざそうとする。
 共和党が持っている議席では、憲法改正のためには、20票も足りない。
 しかも、共和党の急進派からみれば、リンカーンは「ヌルい平等主義者」であり、
 共和党の穏健派からすれば「いきすぎた理想主義者」と思われているので
 共和党も1枚岩ではないのだ。
 この映画のなかでのリンカーンは、「奴隷解放と自由のために命を捧げた英雄」ではなく、
 アメリカの分裂、そして家族の分裂という危機に直面しながら、したたかに自分の最低限の
 目的を達成するための「落としどころ」を探っていく人物として描かれています。

  2013年3月2日(土)  
アカデミー賞の作品賞は予想通り「アルゴ」だった。
今日は脚本賞と助演男優賞(クリストフ・ヴァルツ)の 2冠に輝いた映画「ジャンゴ 繋がれざる者」を、
観てきた。 面白かった〜
先月「ゼロ・ダーク・サーティ」を見に行った時、
予告編を見た主人が見に行きたいと言った映画だ。
私の好きなジャンルではなかったが、予告編が
面白そうだったので、見に行く事に。。
アメリカの黒い歴史= 奴隷制に真っ向から
向き合った映画なので、残酷なシーンも多い。
目そそむけたくなる場面もあった。
極悪非道な役をやったレオナルド・ディカプリオの
迫真の演技は怖いくらいに凄かった。
が、助演男優賞にノミネートさえ、されなかった。
素人目には素晴らしい演技に見えても、賞を
もらえる程の演技ではないのかと不思議だった。
ジャンゴの主役をやったジェイミー・フォックスは
激しい銃撃シーンで凄かったし乗馬テクニックも
一流でサマになっていて、かっこ良かった。
レイチャールズの映画「Lay」で主演男優賞を取ったし 「ドリームガールズ」に出演していた俳優さんだ。
今回の激しいアクションに鍛えた筋肉質の身体を
披露し、頑張っていた。
 西部劇でも脚本賞を取っただけあって、ストーリーは面白く、感情移入し、
 ついつい前のめりで見てしまう私だった。
 冬の雪景色、壮大な原野のシーン、そして音響効果と映画館で見てこそ、
 楽しめる映画だと思った。
 新聞記事より
 タランティーノ監督は「あくまで西部劇という形を借りて、これまで米国映画が
 あまり触れたがらなかった奴隷制度の実態を、奴隷の立場から描いたつもりだよ」と
 作品が社会派の側面を持つことを強調した。
 本作は親友のレオナルド・ディカプリオが本格的な悪役を演じることでも話題になった。
 「彼はスター俳優だが、世界でも指折りの性格俳優でもある。レオのイメージが作品に
 完全に埋没して、本人と判別できなくなるほどの演じぶりだったよ」と満足そうに振り返った。
 資料より
 異才クエンティン・タランティーノ監督が前作からおよそ3年ぶりに放つ骨太のアクション大作。
 19世紀中期のアメリカ南部を舞台に、かつて奴隷だった男の妻奪回のし烈な闘いを描き出す。
 レオナルド・ディカプリオが本作で初めてとなる悪役に挑むほか、ジェイミー・フォックスや
 クリストフ・ヴァルツら個性と実力を兼ね備えた俳優たちが豪華共演。緊迫感あふれる
 人間模様と、驚きのストーリー展開に言葉をなくす。
 ストーリー:
 1858年、アメリカ南部。奴隷ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、
 賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)の手によって自由の身となる。
 やがて2人は協力し、次々とお尋ね者たちを取り押さえることに成功する。
 その後、奴隷市場で離れ離れとなってしまった妻を捜す目的のあったジャンゴは、
 農園の領主カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)のところに妻がいることを
 突き止めるのだが……。

  2013年2月17日(日)          
アカデミー賞5部門にノミネートされている映画
「ゼロ・ダーク・サーティ」を見てきた。
作品賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞、
音響効果賞の5部門でのノミネートだ。
アルカイダの指導者、ビンラディンの暗殺計画は
どのように行われたかという実話の物語だ。
関係者たちから念入りに取材して出来た映画なので リアル感が伝わってくる。
主人公はCIAの女性情報分析官マヤ。
ビンラディンを捕縛・暗殺という難題を命じられ
CIAのパキスタン支局に派遣されてくる。
ささやかな情報も見逃さず、時間をかけて
ビンラディンの居所を特定させていく。
若くて優秀! 実在する人物なのだ。
すばらしく頭も良く、切れもので、くじけない心を
持っている女性だ。
外部との接触を、徹底的に断っていたビンラディン の居所を見つけ出すのは至難のわざ。
真夜中、ビンラディンの家族が住む建物に突入 するシーンは、本当に手に汗握ると云う言葉が、 ぴったり!
命をかけて勇敢に行動する部隊の姿。
真っ暗闇の中、銃を構えて進んでいく。
息づまる緊張感と怖さが伝わってきて
私の胸の鼓動の、ドキ!ドキ!が周りに
聞こえてしまうのではと思える程だった。
 実話と思ってみるから、よけい怖いのだ。
 突入のOKサインが中々出ず数ヵ月が過ぎていく。
 CIA長官、アメリカ大統領の了解を得て、やっとビンラディン邸への突入。
 私は、ビンラディンが、暗殺されたと速報で知り、ニュースを見た記憶があるが。。
 その後、どのような経緯で暗殺したのかと云う詳しい情報はテレビでの放映ではなかった。
 臨場感と緊張感に包まれ、2時間40分の上映時間の長さは感じられない映画だった。
 資料より
 『ハート・ロッカー』の監督×脚本家が描く、剥き出しの現実(リアル)。
 ビンラディンを追い詰めたのは、ひとりの女性だった―9.11から10年、
 首謀者のビンラディンがネイビーシールズに殺害されるまで、
 本当は何が行われていたのか。CIA最先端技術による全世界規模の情報収集、
 拷問、スパイ活動、賄賂、シールズ隊員による隠密作戦―これらのトップ・シークレットを
 関係者たちから念入りに取材し壮大なサスペンスに仕上げたのが、『ハート・ロッカー』の
 監督キャスリン・ビグローと脚本家マーク・ボールだった。

  2013年1月26日(土)          
 きのう、タイ・バンコクから帰ってきたばかりだが、スポーツジムの大きなお風呂に
 入りたいと云う主人。 どうせジムに行くなら同じビル内にある「東宝シネマ」で
 映画を見て、お風呂に入り、帰りにスーパーで買い物をしてこようと話しがまとまった。
 アカデミー賞に11部門ノミネートされた映画「ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日」を
 見たいと思っていたのだ。 期待を裏切らない作品だった。
 この映画は、絶対、大きなスクリーンで見るべき映画。
 静かで神秘的な海、嵐で荒れ狂う海、動物の本能で生きるトラ。
 そのトラとの命がけの共存、漂流生活227日間のすさまじい日々。
 3Dで見る立体的な映像、迫力ある映像に圧倒されどおしの2時間ちょっとだった。
 「アバター」のジェームズ・キャメロン監督も、「驚きにあふれていて、そして実に美しい。
 これ以上の作品はない」と絶賛したと云う映画。
 資料より
 臨場感、迫力、リアリティ……3Dの魅力を表現する場合によく使われる言葉である。
 しかし、アン・リー監督の3D作品「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」を観ると、そこに
 「美しさ」という言葉を付け加えたくなる。こんなに美しい映画は今まで観たことがないからだ。
 その美しさに私たちが気付くのは、映画の冒頭で「世界一美しい」と言われるパリのプールが
 登場したとき。言葉の通り目を奪われる美しさであり、それは3Dだからこそ表現出来たもの。
 さらに少年が漂流しはじめると、彼を取り巻く海が、厳しさ、優しさ、おかしさ、愛らしさ……
 驚くほど豊かな顔を見せるようになる。そして、その海にはすべて、本当にすべて、
 息をのむような“美”が宿っているのだ。
 人間を見つめたドラマを得意とするリーが3Dを駆使して水と海の美しさを表現する。
 そこから台詞では伝えられないエモーションが溢れ出る。
 そう、だから、こんなに美しくエモーショナルな映画は観たことがないのである。
パイ・パテル(少年) リチャード・パーカー(トラ)
モントリオール在住のインド系カナダ人のパイ・バテルの元に、新作に行き詰まった若いライターが訪ね、 パイから驚くべき体験談を聞く。1960年代、パイはインドで動物園を営む一家の元に生まれた。 パイが16歳の時、一家はカナダへ移住する事になるが、家族の乗る船は太平洋上で嵐に見舞われ 、沈没してしまう。必死の思いで救命ボートにたどり着いたパイだったが、 そこには船から逃げて来た他の動物たち、そしてベンガルトラもいた。 最初、虎から逃げることばかり考えていたパイは、やがて、虎を生かすことが自分を生かすことに繋がると気づく。 そして、一緒にサバイバルするという不思議な共闘感を感じるようになる。 敵の存在に、自分を生かしてくれる力をみつけたのだ。この物語には、こんな東洋的な調和の精神が 随所に出てきて、単なる冒険物語を超えて、生きることの素晴らしさを教えてくれる。 敵がいるからこそ、最後まで生き抜こうと願う。そんなパイの想いには、自分と考えの違う人たちを 肯定する意志が込められているのだ。宗教の違い、民族の違いが多くの紛争の火種になっている 今の世界で、すべての命を肯定しようとする意志は希望の光だ。この映画には、 その光をあなたの胸に送り届けてくれる力がみなぎっている。


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